未開発な「気づく能力」

未開発な「気づきの能力」




気づくことは人類の能力

体の使い方に変化を与えるにあたって、何はともあれ必要なこと。それが「気づく」ことです。

自分がやってしまいやすい不利な癖を知っていて、直したいと考えているとしましょう。
そうではない有利なやり方を知っていたとしても、普段の生活やパフォーマンス時において自分の状態に気づけなければ、いつもの不利な癖のまま行っているでしょう。これでは変化は与えられません。

気づいてはじめて意図的な変化が与えられるわけです。

この「自分に気づくこと」ですが、私たち人類の能力であり、学ぶべき技でもあるんです。

犬や猫は、残念ながら自分に気づくことがうまくできない。「腹が減った」とか「足が痛い」というのはもちろん気づくというか知覚しているだろうけど、「ふと我に返って、自分が今何をしているのかと考えること」はおそらくできない。できないと言い切ることはできないですが、少なくとも人間ほどはうまくできない。

猿も犬や猫ほどじゃないかもしれないが、人間ほどうまくできない。
これらは自己認識、自我というものです。

「ふと我に返って、自分の動作の仕方や状態に気づくこと」は、人間の特殊能力なんですね。

この能力があるからこそ、自分の癖に気づいて、それをやめようとすることができる。

気づく能力はまだまだ未開発

単にこの自己認識、つまり「ふと我に返って、自分の行いや状態に気づくこと」といっても、何に気づくかは色々とありますね

哲学が好きな人は、きっとよく「今自分が何をやっているのか」ということを考えるかもしれません。ただ、この場合は自分が仕事としてやっていることだったり、自分という存在が他者に対してどうなのか、というレベルの思考となるでしょう。

ダイエットを考えている人は、きっとよく「自分が食べ過ぎていないだろうか」と食事の際に気づくでしょう。一般的な道徳を考えて、「自分の行為が人に迷惑をかけていないか」という気づきもあります。このように行為レベルで自分がどのようにしているのかという気づきもあります。

これらのレベルの気づきというのは、だいぶ開発されてきているといえるでしょう。

これに対して、同じ気づきでも未開発なままとなっていると思うことが、フィジカル面のことで、体の使い方のことです。
「ふと我に気づいて、自分の体の使い方がどうなっているのか」に気づく能力のことです。

その背景には、私たちが生活をするにあたって、体の使い方に気づくことが必須ではないからでしょうね。前にも書きましたが、私たちの脳は優秀で色々なことを記憶してくれて、しかも勝手に覚えた運動までコントロールしてくれます。そうやって、自動操縦的なものに任せていても、生活はできますしね。

もっといえば、それに気づくメリットを知らないからともいえるでしょうね。
私も以前は全くといっていいほど、メリットを知りませんでした。今は、もっと早く知っていればと思うばかりですが。できたら中学生くらいのときに。。

具体的にいうと、例えば、次のようなことについて気づく能力です。

  • 筋緊張の程度
  • 姿勢の形状
  • 動作の仕方
  • 呼吸の状態

これらも、「社会的な活動や行為として、今自分は何をやっているのか」に気づけるのと同じように、気づけるわけです。犬や猫、猿だって、これができたらかなりの芸当。

このフィジカル面における気づきの特殊能力が未開発なままで、私たちはあまり活かしきれていない、というのが私の感じるところです。つまり、私たちにはよりよく生活したり、パフォーマンスするにあたって伸びしろがまだある、ということです。

特殊能力といっても、予知能力やテレパシー、霊感のような、選ばれし少数の人の持つ特殊能力ではなく、一般的な人が持てる能力です。

この一般的な人が持てる能力に未開発な部分があったと考えると、なんかワクワクしません?
私なんて、「これが人類の進化の方向でない!?」とすぐに考えてしまいます。

気づきには「技」がある

自分で言うのもなんですが、この能力について、誰よりも開発してきたと自負しています。日本だけでなく、世界でみてもです。とまあ、大風呂敷を広げてしまいますが、根拠はあるんです。

その根拠は、このフィジカル面の気づきには「技」があって、その技を知っているからなんです。あと、この技を駆使して、日々研鑽を重ねていることもありますが。

修練時間だけでいったら、先輩方の方がそりゃ多いから負けます。海外では40年、50年教えているアレクサンダーテクニークのマスターたちがいますからね。

ただ、彼らとは技が違うんです。

「技」といっても、何十年の修練が必要なものじゃないんです。一般的な人が、基本的には3ヶ月で「技」自体は知ることができるものなんですよね。

まあ、その技の習得となると、1年か2年くらいはその後もかかるし、やればやるほど磨かれるものですけどね。私から学ぶまでが最短で約3ヶ月くらいで済むということです。

日頃のレッスンでは、この技を指導しているんですが、この技があると、自分に「気づくこと」の能力が一気に開発されていきやすいんです。

体重を感じる

ヨガなども含んだボディワーク業界では「今、ここ」と言ったりします。つまり、今の瞬間にここに自分がいることに気づくことで、これを促します。

この「今、ここ」(ちなみに英語では、”Here now”)が、この気づきに相当します。
これだけでももちろんいいんですけど、何に気づくのかは具体的ではないですよね。

この具体性が技の違いになってきます。

今、ここで自分がしていることとは、一つは、体を支えているということで、もう一つは呼吸です。こうした要素に注意を向けていって、よりよい状態を知り、そして今の自分が理想状態なのか、そうでないのかを具体的に把握できるようになると、気づきはもっと頻繁に行いやすくなるはずです。

以前、俳優のビル・マーレイ(Bill Murray)が以下のように言っていましたが、これが「今、ここ」の具体的な注意の向け方で、同感だと思いました。

If I can just feel… Just think now: How much do you weigh? This is a thing I like to do with myself when I get lost and I get feeling funny. How much do you weigh? Think about how much each person here weighs and try to feel that weight in your seat right now, in your bottom right now. Parts in your feet and parts in your bum. Just try to feel your own weight, in your own seat, in your own feet. Okay? So if you can feel that weight in your body, if you can come back into the most personal identification, a very personal identification, which is: I am. This is me now. Here I am, right now. This is me now. (Bill Murray On Identity & Meditation

もし今、ただ感じる、いや考えるなら、私ならこうするんだ。自分の体重ってどのくらいなのかって。これは、自分を見失ったり、変な感じになっていたりするときに、自分でやることなんだ。今、ここで座っていて、自分のお尻に体重がかかっているのを感じるようにしてごらん。足とかにもね。どうだい?自分の体で自分の体重を感じられれば、この最も確実な自分自身だという確認に戻ってこれれば、それが「自分」となるんだよ。これが「今、ここにいる自分」となるんだよ。(拙訳)

体重を感じるようにするんだとお尻とか足で。これは、私の提案するものと同じです。

普段、自分の体重を感じようとはしないですよね?そうです。それ普通です。逆にいうと、自分の体の気づきについては未開発のままということです。もっとラクになれる、より快適に過ごせる伸びしろがあるということです。

このように体重を感じていくことも技の一つです。体重を感じるようにするだけでも、もちろんある程度の気持ちの落ち着きは得られると思います。

ただ、もっとあります。さらにラクさや落ち着きを得るにあたっては、基準を持った評価を持っているといいんですね。

つまり、どうお尻に体重をかけているかを評価していくことです。この体重のかけ方に基準を持った評価ができるようになると、より不利な状態に気づきやすいし、もちろん、よりよい状態に是正しやすくなるわけです。

どういう支え方の状態が理想状態なのか、どういう呼吸が理想状態なのか、についてはさらに説明が必要ですね。それは今後に。

今回のまとめはこれ。

まとめ
「ふと我に返って、自分の行動や状態に気づくこと」は、人類の能力である。フィジカル面として「自分の体の使い方がどうなっているのか」に気づく能力については、未開発なままであり、開発して生活をよりよくする「伸びしろ」がある。

自分に気づいたら、体の支え方と呼吸に注意を向けていくようにする。







未開発な「気づきの能力」


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