是正はマルチタスキング

是正はマルチタスキング




おさらい
体の使い方に変化を与えるには気づきが必要で、気づいたときに、より有利なものに変えていくわけです。これはつまり意識的に体を動かしていくこととなって、その意識の仕方のコツというか法則が「リーディングエッジ」の考え方となるんですね。

前回まででここまで来ましたが、もう一つ頭の片隅に入れておきたいことがあります。

マルチタスクとなる

体の使い方に変化を与える際は、マルチタスクとなるということです。

動きを変えるというと、シングルタスクで該当の動きだけ変化を与えることのように思いやすいですよね。でも、実はこれでは変化を与えにくいんです。

私たちの体の動作というのは、基本的にマルチタスクなんです。

お皿を洗うという行為で考えれば、これ自体は一つのタスクですが、これを体で行なっていくにあたっては、左手でお皿を持ちつつ、右手でスポンジを持って洗う、となります。この時点で、左腕と右腕はそれぞれ一つのタスクを担う形となっていて、シングルタスクではなくなります。

もっといえば、両腕を動かしながら、体を倒れないように支えていますよね。この体を支える活動も別のタスクです。これで3つめです。

体を支え方だって細かくみていけば、骨盤を支えて、胸郭を支えて、頭を支えて、と細分化していくこともできて、複数のタスクが含まれている。

こんなのではキリがないと思うくらい複数のタスクが出てくるんです。

タスク間には連動がある

で、実際にこのマルチタスクをこなしているわけですが、普通は「お皿を洗っている」としか考えません。

これが可能なのは、脳でこうした複数のタスクをパターンとして覚えられるからです。コンピューターでいえば一連のタスクをプログラム化していくようなものですね。

あとは「実行(execute)」すればいいように、「お皿を洗おう」と思ったら、私たちの体はあたかも勝手に動いていくかのように、様々な部位がそれぞれ動いていくわけです。

で、そのパターンの中に余計な筋緊張を伴っている動きが入っていたりするんです。で、それにあなたが気づいたとしましょう。

それを変えようとしますが、その際は該当の部位の動きだけ変えようとしても、変化を与えにくかったりするのです。

その理由は、一連のマルチタスクが所々連動していて、他もセットで変えていかないといけないからなんです。その中でも特に関係してくることが「体の支え方」です。そして「呼吸」も関係してきます。

お皿を洗う場合

例えば、お皿を洗うときに肩に力が入っていることに気づいて、それを抜いてやろうとしたとしましょう。肩から力を抜こうとして、一旦お皿洗いを止めて、肩を上げ下げしたりするかもしれませんね。その時は抜ける感じがしたかもしれません。

でも、再びお皿を洗い始めたら、また入れてしまっているでしょう。少しは抜けたかもしれませんが、大きくは変化を与えられていないことは、よくあることです。

こうなってしまうのは、他のタスクを含めたパターンが変えられていないためです。

肩の筋緊張は、大元を辿れば腹筋群の緊張から生じたものですし、ここには連動があります。腹筋群の緊張は、胸郭をしっかりと支えようとするために起こったことで、これが過剰なものとなりやすい。

で、その腹筋群の過剰な筋緊張を放置したまま、肩の筋緊張をやめようとしても、連動しているから、完全にはやめられないわけです。

呼吸も関係する

さらにいいましょう。腹筋群は呼吸筋の一つで、とりわけ呼吸と密接に関係しています。息を止めてみてください。腹筋の緊張をすぐに感じられるはずです。

腹筋群の過剰な緊張は、呼吸を制約してしまいます。特に吐く息を制約することになり、浅い呼吸の状態にしてしまう。脳で覚えたパターンには、この腹筋群の緊張も含まれているし、息を詰めて呼吸を浅くする反応も含まれてしまいます。

これらのタスクの設定を変えずに、肩の筋緊張だけを単独で変えようとしても、最終アウトプットは有効には変えられないのです。

腹筋群の過剰な緊張をなんとかしないと、肩の筋緊張を抜くことは難しい。さらに腹筋群の緊張を抜くためには、呼吸の仕方を変えないと難しい、となるんです。

この場合はどうすればいいのかというと、体の支え方をより有利なものに変えて、呼吸の仕方も変えた上で、肩の力を抜くようにするんです。

具体的な指示でいえば、次のようなものとなります。

ポール先生
体重を足の裏に預けていると考えて、息を抜きながら(ため息のような息を吐く)、腕を胴体からぶらさげる意識を持って、先端となるスポンジを動かしていく

他にも加えることがあったりもしますが、このあたりが基本となります。
こうするとだいぶ抜けるでしょう。

えー、いちいちここまで思うの〜、面倒くさいな〜、と思いますよね。
まあ、はじめは仕方がない。慣れればそうでもないんですけどね。
有効な変化を与えられるようになってくると、プログラム処理をしているような面白さを感じるんですけど、それは私だけ?!

腹筋の過剰な緊張と、呼吸との連動について触れましたが、これが有利な体の使い方をしていくキモ(肝)です。東洋の身体感でいう「肚」や「丹田」や、様々なところでいわれる「呼吸の大切さ」は、この「腹筋の過剰緊張」と「それに連動する呼吸」を知ることで、その意義を知ることができるでしょう。
これについては、今後により詳細に説明していきます。

ここで覚えておいてもらいたいことは、体の使い方の是正はマルチタスクとなって、変化を起こそうとする動きだけでなく、別の部位や機能にも変化を与えていく意識が必要となるということです。

体では連動しているんです。

元来、人体は連続した一構造体であり、神経系と全身の運動器が一体となって環境や外力に対して身体活動を制御している。したがって、多分節の連鎖的運動を伴わない動作などあろうはずもない。(「運動連鎖〜リンクする身体」 山岸茂則)

本日のまとめはこれ。

まとめ
体の使い方の是正はマルチタスクとなって、変化を起こそうとする動きだけでなく、別の部位や機能にも変化を与えていく意識が必要となる。







是正はマルチタスキング


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