マネージメントするべき「基本3点セット」

マネージメントするべき「基本3点セット」
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基本3点セットとは

体の使い方を是正していくときは、マルチタスキングとなる話をしました。マルチタスキングといっても、動作や行為ごとに完全に異なるマルチタスクとなるわけでもありません。共通するところもあります。

その共通するところこそ全ての動きの基本となるものです。
そして、それは私たちが起きているときに常にやっていること、一つは「体の支え方」に関係することであり、一つは「呼吸」に関係することです。

レッスンでは様々な動作についてみていき、様々なことをいいますが、あまりに多数あれば、それはコントロールできなくなってしまうでしょう。初心者ならなおさらです。

そこでしぼってしぼって、けずってけずって、としてきた結果、何かの動きを過剰な筋緊張を抜いてやるために、次の三つの意図を持っているといいことがわかりました。

基本3点セット

①体重を支持部位に預ける

②頭の支え方を適切なものにする

③息を吐きながら動作を行うようにする

重い物を持ち上げるとき

例えば、重い物を持ち上げるという行為をより筋緊張を少なくしようとする際に、次のように考えていくんです。

足の裏に全ての体重を預けるようにして、軽く顎を引いた形で頭が後ろに倒れないようにして、口からフーッと(ため息のような)息を抜きながら、物を持ち上げていく。

これだけでは余計な筋緊張は抜ききれず、ケースによって他の意図も持つ必要も出てくると思います。中腰になるときに軽く膝を曲げるとか、持ち上げる際の初速の速度を落とすとか。

ただ、この指示だけでもだいたいの余計な力は抜ける。そして、これ抜きでは先には進めないくらい大事な意図といってもいい。まあ、実際は先に進めるけど、そのくらい大事に考えて欲しいなという思いが強いので。

枝葉の部分は色々と後から微修正すればいいんです。でも、幹ばっかりは後からというわけにはいかない。その幹がこの3点セット。

基本3点セットの目的とは

この3点セットは何を狙っているのか。これを知ることも大事です。背景を把握していないと、有効な変化は起こせません。

①体重を支持部位に預ける
→体を支える活動から、余計な筋緊張を抜きやすくする環境づくり。体を「支え過ぎ」状態から、体を「置く」状態に変える。(プレイシング)

②頭の支え方を適切なものにする
→首の筋緊張を最小限にするため。

③息を吐きながら動作を行うようにする
→腹筋の緊張を最小限にするため。

まあ、つまりは体の支え方として過剰に筋緊張させていやすい箇所が首周りと胴回りであり、それらの筋緊張を抜くためのものです。

直接に「首の筋緊張を抜く」「腹筋の筋緊張を抜く」としていないのは、もちろんリーディングエッジ(本来の目的の意図)の考え方からくるものです。直接的に筋肉に注意を向けて、その緊張抜こうとするのではなく、その筋が働く目的行為の方に注意を向けていくようにすると。こうすると抜きやすいんですね。

①体重を支持部位に預ける(補足)

この①でもって、「体の支え方」の意図を変えていきます。問題の根っこには「体を倒れないようにしっかりと支えよう」とする無自覚な反応があるので、これをこのままにせず、体の支え方の意図を「体を置く」ようにしていきます。本来の目的を実現する意図を持つべきという、法則に則っています。

これだけではありません。支持部位、つまり地面との接触部や物との接触部に注意を向けることで、摩擦力をよりよく活かせるようになるんです。

摩擦力はその面に生じる垂直抗力に比例します。つまり、重さをかければより得られるということです。摩擦を得るのに地面を踏もうとか、蹴ろうとかする必要はなく、むしろ重力にゆだねる感じで重さをかければよく、その方が無駄な筋緊張を避けやすくなるんですね。

体を支えると言ったとき、絶対的に用いている要素が摩擦です。
私たちは一般的に摩擦のない世界にいったことがないから、摩擦があることの恩恵や特質を認識しにくいんですよね。エンジニアや物理学者は摩擦については仕事や研究では十分すぎるほど知っているでしょうが、自分の普段の体の使い方となるとおそらく摩擦を認識していないでしょうね。

宇宙飛行士の人たちはおそらく最もその恩恵を知る人たちでしょう。摩擦を得にくい生活をしてますからね。

②頭の支え方を適切なものにする(補足)

②は「頭の支え方を適切なものにする」と具体的な処置に欠けています。ここは、ケースバイケースです。

(ケース1)頭も空間を動くときは、「頭と共に動く」ようにしていきます。

(ケース2)頭があまり動かず、そこにあり続けるような場合は、「頭を一番高い位置に位置づけ、頭を乗せておくようにする」。

(ケース3)特に大きな力が要求される場合(重いものを動かす、速く動かす)は、「軽く顎を引き、頭が後ろに倒れないようにする」。

全てのケースにおいて「首にできるだけ筋緊張を入れないように」することは念頭に置いておきます。

③息を吐きながら動作を行うようにする(補足)

③も補足説明が必要でしょう。なぜ「呼吸」が出てくるの?
詳しくは次回に説明しますが、呼吸と腹筋は極めて密接な関係で連動しているとだけ言っておきましょう。
吐く息を促すことで腹筋の緊張を緩めることができるんです。

コツの一つは「ため息」ですね。ため息のように、口から息をフーッと吐くようにするんです。

これらが、基本3点セットの背景です。
そして、この基本3点セットを変化を与えようする際に、意図していくんです。

Q.3つも多いよ〜。もっと減らせない?

これでもかなり削り落としたんですが。。うーん、仕方がない、その場合は簡易版として①と③の2点セットです。

要は、支持部位に体重を預けて、フーッと息を吐きながら行う、ということです。
本当はある程度、頭の制御に慣れた人向けなんですけどね。ので、2点セットになれたら、頭の制御も加えていくようにしましょう。

首が凝ってしょうがない人、パフォーマンスを徹底的に良くしたい人、は3点セットが必須でしょうね。

四六時中ずっと、この3点セットを意識するんですか?

ずっとというのは無理ですね。やることたくさんありますしね。
折にふれて自分の体の使い方に気づくようにして、気がついたときに「支持部位、頭、息」のようにして体の使い方をスキャンしていく感じで、変化を与えていきましょう
気づきの頻度が増えると、ラクに感じられるようになりますよ。

摩擦のこと、頭の制御、呼吸と腹筋の連動と、もっと補足説明が必要なことが盛りだくさんでしたが、詳細はおいおい説明していきます。

本日のまとめはこれ。ぜひ実践してみてください。

まとめ
体の使い方に変化を与えようとする際には、「体の支え過ぎ」状態をやめるための下記の基本3点セットも意図した上で、動作に変化を与えていきましょう。これによって余計な筋緊張をやめていきやすくなります。

①体重を支持部位に預ける

②頭の支え方を適切なものにする

③息を吐きながら動作を行うようにする

マネージメントするべき「基本3点セット」

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