体の使い方の基本【その1】

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原因は過剰な筋収縮

日頃はアレクサンダーテクニークのレッスンをやっていますが、レッスンにはいろんな人がきます。

  • 緊張しやすいタイプで、声が出にくくなってしまうんです
  • 首のこりをなんとかしてください。じっとしているだけなのに辛いんです。
  • ピアノ演奏と指導していますが、前から体の硬さをなんとかしたいと思っていて。
  • マッサージやっているけど、腰がどうも、、、

オフィスワーカーから音楽家、主婦、営業マン、俳優、ダンサーと、
問題はそれぞれ違いますが、原因は筋(筋肉)の過剰な緊張(収縮)です。

私たちは筋を収縮させて動作をしています。
でも人によってその収縮させる程度は違い、同じ動作でも多く筋収縮を起こしてやる人もいれば、少ない筋収縮でやる人もいます。

私がレッスンを通じて見てきたことは、多くの人が過剰に筋を収縮させて動作をしてしまっているということです。

そのせいで、故障、こり、声が出にくいなどのパフォーマンス低下を起こしてしまっています。

なので、問題解決には筋の収縮を減らすことが求められます。
つまり、筋を緩めること。

アレクサンダーテクニークのレッスンで目指すことは、
「最も少ない筋収縮で、その動作を行うこと」です。

「体の支え方」に注目すべき

そこで、じゃあどこにその過剰な筋収縮が起こっているの?となります。
「どこに?」も重要ですが、もっと重要なのは「どうして?」です。

「どこに?」がわかって、それを対処しても、結局は対処療法みたいなもので、
本当の問題解決にはなりにくいんですよね。

一般的なアレクサンダーでは、頭部と首の筋の過剰な緊張に注目していくんですが、
それだけだと本当の問題解決にならず、けっこう長期間にわたって「???」みたいな
状態になるでしょう。私もそうでしたから。

「今の自分の状態が本当に最適なものなんだろうか?」と、戸惑うことになるはずです。
私は学び始めてから少なくとも5年間はこれで戸惑っていました。

で、「どうして?」ですが、
ずばり答えをいいます。過剰な筋収縮は「体の支え方」のせいで起こっているんです。

私たちが起きているときは、立っているかまたは座っているかのどちらかで体を支えながら、なにかの行為をしていますよね。

その立つや座る状態で体を支えるにも当然のことながら筋収縮を使っています。
動くときだけに筋を使っているわけじゃありません。姿勢維持にも使っています。

私たちは重力のある世界にいて、その重力が私たちの体にも働いていますからね。
これに拮抗しないと体を起こせません。その力は筋が発揮しています。

その体の支え方の筋活動の中に、過剰な筋収縮パターンが含まれていやすいのです。
全ての動作は体を支えながら行っているので、体の支え方の中の過剰筋収縮パターンは動作の中に含まれてしまいます。
その結果、その動作の負担を増やしたり、機能を制約させてしまう形になるんです。

この「体の支え方」を根本原因と捉えて、最も少ない筋収縮で行えるようにしていくことが、とても大事なことなんです。

「体の支え方」のことを、運動学上では「姿勢制御」(または姿勢調節)といいます。

姿勢調節の寄与なしに意図した運動を実行することは困難であるといっても過言ではない。言い換えれば、姿勢調節が運動成果の優劣に影響を与えることは十分予想できる。 ー山下謙智編著 「多関節運動学入門」ー

先ほども書いたように、ほぼ全ての人は「体の支え方」のことをすっ飛ばしていますから。
普段は「自分は体を支えているんだ」とすらも考えないし、考えたとしてもその中の過剰性を疑っていないでしょう。

この当たり前すぎて忘れてしまっていることの中に問題の根本原因があるので、それを再認識して浮き彫りにしていくことが大事なんです。

これなしで筋緊張を抜くこともできますが、部分的だったりして、全体の筋緊張を最小限にするようには抜けなかったりするでしょう。この再認識の重要性については、次の投稿で詳しく説明していきます。

とりあえず、今回のまとめはこれ。

まとめ
余計な力が入っていたり、過剰に緊張させてしまうものの根本原因は、「体の支え方」です。
「体の支え方」に注目して、最小限の筋収縮で行えるようにすることを目指しましょう。

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