意識の仕方のルール
体の使い方の基本【その2】

意識の仕方のルール
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前回の投稿で「体の支え方」に注目して、それを最小限の筋収縮で行うようにすることを目指しましょう、とご提案しましたね。
この点について、もう少し説明していきます。

体の使い方に変化を与えていくときに、とっても大事なことがあります。
それは「目的を実現しようと意図すること」です。
もっというと「本来の目的を実現しようと意図すること」です。

目次

私たちの脳が勝手にやってしまう

これも当たり前のことなので、なんで大事なの?と思うかもしれません。
どうしてかというと、私たちはよく行っている動作や行為を「意図せずに」行っている場合が多いんです。

意図は意識に置き換えてもかまいません。つまり、どのようにやろうかと意識しないで、色々とやっているんです。
別の言い方をすれば、脳が勝手にやっちゃっているということです。

ご存知の通り、脳は色々と覚えます。動作の仕方も覚えるわけです。で、そのうちに覚えたものを、勝手にやっちゃうようになるんです。で、私たちはその動作を意識しないでやってしまうと。

主には脳の中でも小脳がこの制御を担っています

運動は習熟するとその機能を小脳が肩代わりするといわれています。習熟すると感覚神経から信号を小脳に回して、小脳が自動的に処理するそうです。そうすると大脳はほとんど考えなくてもいいので別のことができます。小脳が運動を制御するようになることを「身体で覚える」という表現をします。(小川鑛一「看護の環境と人間工学」)

はじめのうちは、「こうやろう」と積極的に意識してやっていたはずなのに、そのうちに慣れてくると最初に持っていた意識がなくなってしまうんですね。

なんか、長年やっている業務とかにも当てはまりそうじゃないですか。「この業務の目的ってなんなんだっけ」とわからなくなったまま、やっているというやつです。

目的がわからなくなっても、やることは決まっていたりする。で、目的抜きでとりあえずやってると、ポイントがずれてきて本来の成果が得にくくなってくると。

体の使い方もこれと同じで、本来の目的がわからなくなったまま、とりあえず動いているようなものになりやすい。そうしていても、一応のことはできる。ただ、緊張が増えていたり、見栄えが悪かったり、より上手くはできなかったりする。

で、問題改善を狙って、姿勢や動作の仕方を変えようとするわけです。
体の使い方を変えるというのは、意識的な行為となります。意識しているのは間違いないのですが、いったい「何を意識するのか」は人によって違っているでしょう。

「何を意識するか」にはルールがある

単に力を抜こうとしてやる人もいれば、言葉で表現できないような感覚に頼ろうとする人もいるでしょう。「蝶のように舞いながら」なんて抽象的なイメージを実現しようとする人もいれば、解剖学のテキストを引っ張りだしてきて、「おお、この筋肉を使えばいいのか」と知り、上腕二頭筋を使おうと意識する人もいます。

体の使い方の意識の仕方は、指導者が100人いれば100通りの違った仕方が存在するくらい、みんな言っていることが違っていたりします。

私もそのうちの一人に過ぎないですが、少し他の人と違うことがあります。それは、意識の仕方にルールをもっていて、それに準ずる形でやっていることです。

そのルールというのが、前述した「本来の目的を実現しようとする意図」となるんです。
私の場合は、場当たり的に都合よく感覚だったり、イメージだったり、解剖学的だったりしないんです。
このルールに基づいた意識の仕方で指導しています。

指導だけじゃなく、もちろん私自身の体の使い方もこれをベースにしていますよ。

これを意図することで、前回のブログにも示したことですが、目指すべき状態となる「最も少ない筋収縮で行う」状態を実現しやすくなるのです。

へー、そうなんだ。えっ、でもどうして?
理由はあるんです。ただ、それを語り始めるとだいぶ長くなってしまうので、後日にまとめますね。現在、この部分については英語ブログ用に執筆中で、そのうち公開します。

なるほど。でも、本来の目的を実現するって、一体どういうこと?
そりゃそうですよね。それについては、次回にということで。

ということで、今日のところはこの辺で。

まとめ

体の使い方に変化を与えるにあたっては、意識をしていくことになる。
そして、意識の仕方としては、「本来の目的を実現しようとする意図」が大切。
意識の仕方のルール

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