字を書くときの意図は?
「本来の目的を実現しようと意図すること」を補足していきますね。
例えば、あなたが字を紙に書くとしましょう。きっと何気なく書かれるでしょう。
普通は、書く文字や文章のことは考えるが、どう体を使っているかなんて気にしません。
でも、この字を書くという行為の中に過剰な筋緊張を加えている人はけっこう多い。
私もその一人でした。これで肩こりになっている人も少なくはないですね。
で、レッスンだったら、私から「書き方」についての指導が入ります。
「ペン先を動かそうと思って書いてみてください」と。
まあ、他のことも色々と言うのですが、とりあえずこの当たり前と思われることを意図してもらいます。そうすると、この指示だけでも余計な緊張が抜けることもあるくらい、緊張を抜きやすくなるんです。
書くときに力が入ってしまう方は、ぜひやってみてください。
書きにくく感じるかもしれません。いつもの自分の字ではない感じになるかもしれません。ただ、肩の緊張は緩んでいませんか。
うまくいかない人もいるかもしれませんね。
もちろん、これを意図することで100%うまくいくとは限りません。
あくまで抜きやすくなるという可能性が高いということです。
これが字を書くという動作においての、私の言う「本来の目的を実現しようとする意図」です。別の言い方としては、「何を動かそうとしているのか」または「何を実現しようとしているのか」を認識して、それを動かそうとする意図を持つこととも言えます。
「筋を使おう」とする意図になりやすい
なぜ、これがうまくいくのか。
それは、私たちは「筋を使おう」としてしまうからです。
この意図を無自覚に持っていやすい。
ん、「意図を無自覚に持っていやすい」ってどういうこと?となりますよね。「意図」って自覚して出すものでしょ、と思いますよね。
前回の投稿で、脳が勝手にやってしまっていることについて触れました。
そうなんです。脳が勝手にこの意図を持っていやすいということなんです。
より正確に表現すれば、「筋を使おう」とする際の筋活動パターンを脳が覚えてしまっていて、その覚えたパターン(プログラム)を勝手に運動神経を通じて実行してしまっている、ということです。
例えば、肩こりとか慢性的なこりがある方は、日頃から肩のこりに注意が向かいやすくなっていることもあって、腕を使う際に無自覚に「肩を使おう」とする筋活動パターンを実行していやすい。これは、私からすれば、「筋を使おう」としてやっているようにしか見えないんですよね。
そして、無自覚ではなく積極的に「筋を使おう」と意識している人もいる。
最近は解剖学をわかりやすくまとめた一般書籍がいくつか出ていますが、あなたの周りにも一人か二人くらいは妙に解剖に詳しい人もいたりしませんか?
そうそう、こういう方はけっこう積極的に「筋を使おう」と意識していたりします。
筋トレ好きの人なんかも筋肉にけっこう詳しくなるので、こういう意図を持っていやすい。
要は、自覚があろうとなかろうと、この「筋を使おう」とする意図を私たちは持ちやすくなっているということです。そして、この意図だと筋緊張は過剰なものになりやすいんです。
で、その代替案となる意図である「本来の目的を実現する意図」を持つことで、この「筋を使おう」とする意図を打ち消しやすくなり、その結果として筋緊張を緩めやすくなるんです。
初心にかえるがコツ
先ほど「何を動かそうとしているのか」を考え、それを動かす意図を持つことが本来の目的を実現する意図だと書きました。これは、私たちが初めてその行為をする際に持っているだろう意図のことです。
だいたいの動作は、幼少の頃にやってしまっています。そう、この頃には間違いなく私たちは皆、こうした意図を持っていたはずです。それを何度も繰り返す過程で、覚えてしまったパターンでなんとかできてしまう結果、忘れてしまうんですね。
とあるプロ野球選手が以前、テレビで次のように言っていたことがあります。
様々な打ち方を教えてもらったりするけれども、最終的には『やって来るボールにバットをあてる』、この感覚を忘れないようにしている
「本来の目的を実現する意図」とは、これのことです。
忘れてしまうんですよ。この当たり前の本来のことを。私たちは。
初心者のときに持っていた感覚を取り戻すようにするんです。
「初心にかえる」が意識のコツとなるんです。
「本来の目的を実現しようと意図」については、まだまだ補足説明が必要です。それは次回ということで。
本日のまとめは、これ
それを是正するための「本来の目的を実現しようと意図」とは、つまり「何を動かそうとしているのか」または「何を実現しようとしているのか」を認識して、それを動かそうとする意図を持つことである。
そして、これは私たちが元々持っていた意図であり、もう一度初心者の時の感覚を取り戻すことになる。
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