ここでおすすめする文献リストでは、一般向けだけでなく、ややプロ向けの本も含んでいます。私が参考にしている本です。
解剖・運動学関係
伊藤隆 『解剖学講義』 南山堂
様々な解剖学テキストはありますが、定番なものを一つは持っておきたいところです。
Donald A. Neumann(嶋田智明他訳) 『筋骨格系のキネシオロジー』 医歯薬出版
解剖の基本情報に加えて、バイオメカニクスの視点も含まれています。私が最も参考にしている本です。これがなかったら、今の効果的なアプローチには至っていないでしょう。
Anne Shumway-Cook,Marjorie H. Woollacott (田中繁他訳) 『モーターコントロール 運動制御の理論から臨床実践へ』 医歯薬出版
認知科学的な視点で運動制御を解説しています。これも基本となる教科書です。
M.F.ベアー,B.W.コノーズ,M.A.パラディーソ(加藤宏司他訳) 『神経科学 脳の探求』西村書店
神経科学の教科書です。脳機能や支配神経をチェックするのに参考になります。
Richard L. Lieber(望月久訳) 『骨格筋の構造・機能と可塑性 ―理学療法のための筋機能学―』 医歯薬出版
筋肉でも一般的な運動にかかわる骨格筋について詳細解説している本です。筋肉の長さと発揮できる力の関係について調べているときに、この本がとても参考になりました。
David A. Rosebaum(関屋昇監訳) 『動作の仕組み ―からだを動かす原理の探求』三輪書店
心理学者が人の動作制御について書いたものです。さまざまなテーマについて書かれていて、発話に加えて、歌唱についても触れられている。
トーマス・W・マイヤース(松下松雄訳) 『アナトミー・トレイン ―徒手運動療法のための筋筋膜経線』 医学書院
これも有名どころの本ですね。筋膜アプローチを重視する施術者は必須の教科書でしょう。筋肉のつながりについて、興味深い視点を得られます。
Gorman D : The body moveable. 5th ed, Learning Methods Publications, 2002.
私も学んだことがあるアレクサンダーテクニーク 教師の本です。動きをテーマにした解剖学でしょうか。この本がすごいのは、手書きの解剖図とこれまた手書きの解説です。とってもユニーク。
神野耕太郎 『運動の生理学 ―骨から神経まで―』 南山堂
詳細というわけではないですが、わかりやすい解説の本です。
熊本水頼他 『二関節筋 運動制御とリハビリテーション』 医学書院
脚と腕は、二関節筋の箇所ですが、その構造の特異性について詳細に解説されています。
バイオメカニクス関係
David A. Winter(長野明紀他訳) 『バイオメカニクス 人体運動の力学と制御』 ラウンドフラット
バイオメカニクスの専門知識が学べます。ただ、数式も出てくるし内容理解は難しい。
山田宏 『力学の基礎とバイオメカニクス』 コロナ社
小川鑛一 『看護・介護を助ける 姿勢と動作』 東京電機大学出版局
バイオメカニクスの生活への応用ということでは、この本こそ最もわかりやすい。著者の小川先生には、あるパーティで偶然にお会いしたことがあるのですが、すごくうれしかったですね。オススメの一冊です。
望月洵 『力学と構造フォルム ―建築構造入門』 建築技術
構造力学の専門書になります。人体も構造の一つで、構造としてみるにあたって参考にした本です。
小田信午 『運動科学 アスリートのサイエンス』 丸善
様々なスポーツ動作について分析されています。タイトルは専門的な感じですが、バイオメカニクスの数式が出てくるようなものではなく、読みやすくなっています。アスリートも参考にできるでしょうね。
Stuart McGill(吉澤英造他訳) 『腰痛 ―最新のエビデンスに基づく予防とリハビリテーション―』 ナップ
腰痛について、基本的な考え方が整理されている本を探していましたが、やはりこれは欠かせませんね。
Craig Liebenson(菊池臣一監訳) 『脊椎のリハビリテーション<上巻>』 産学社
これも腰痛と腰痛対策についての参考書です。
松平浩 『新しい腰痛対策Q&A21 〜非特異的腰痛のニューコンセプトと職域での予防法〜』 産業医学振興財団
東大の松平浩先生の腰痛対策の本です。やや専門書的ですが、図解も多く、私的にはとても整理されていて、好きな本の一つです。
松平浩 『「腰痛持ち」をやめる本』 マキノ出版
これも松平先生の腰痛本です。これは一般向けでとても読みやすい。
松平浩 『腰痛借金』 辰巳出版
「腰痛の原因は借金のように溜まっていく」という考え方を、バイオメカニクスの勝平先生と共に紹介しています。
この記事で詳しく解説しています。
松平浩 『毎日できる簡単肩こり体操』 NHK出版
これも松平先生の本ですが、肩こり対策の本です。こちらの記事で詳しく紹介しています。
肩こり対策にはこの一冊 あけましておめでとうございます。 今年も読者の方の体の使い方改善に向けて、できるだけわかりやすくそのコツをお伝えしていこうと思います。 この元旦に出版された素...
村上栄一 『仙腸関節の痛み』 南江堂
腰痛と一括りになりやすいが、仙腸関節周りの腰痛と、それより上の腰痛と分けて考えられる。仙腸関節に痛みを訴える人はけっこう多いようです。
心理学系
Susan Nolen-Hoeksema,Barbara L, Fredrickson他(内田一成監訳)『ヒルガードの心理学』 金剛出版
最新知見が盛り込まれた心理学の基礎です。家庭の医学的な形で読めるものです。心理系の個別テーマの一般書を読むのもいいですが、偏りのない知識を得たい人は参考になります。ただ、2万円超と高い。。
ディヴィッド・イーグルマン(大田直子訳) 『意識は傍観者である 脳の知られざる営み』 早川書房
意識的な動作は、意識が先にあって動作が後にくるはずですが、実はそうなっていないという予想に反した研究結果などを紹介している本です。動作と意識について探求を続けていたので、読みました。
春木豊 『動きが心をつくる 身体心理学への招待』 講談社
心が体に影響する部分も当然あるが、それと同時に、姿勢・呼吸・歩き方といった体の動きが心にも大きな影響を与えているとする見解について解説されています。
人類学系
R. ルーウィン(保志宏,楢崎修一郎訳) 『人類の起源と進化』 てらぺいや
二足直立・歩行に進化した理由を整理したくて、進化人類学系の本を探していて、まず読んだ本です。
真家和生 『自然人類学入門 ―ヒトらしさの原点―』 技報堂出版
これもすごく参考にした進化人類学の本ですね。
平沢弥一朗 『足の裏は語る』 筑摩書房
タイトル通り、足の裏の大切さ、体重のかけ方、裸足の利点などが説明されています。
呼吸・発声関係
永田晟 『呼吸の極意 心身を整える絶妙なしくみ』 講談社
バイオメカニクスでも有名な永田晟先生の呼吸解説の本です。ブルーバックスで、わかりやすくまとまっています。
Joel C. Kahane(西尾正輝訳) 『発話メカニズムの解剖と生理』 インテルナ出版
咽頭部・喉頭部などの発話に関係する部位の解剖と、発話のための生理学を解説している本です。
荻野仁志,後野仁彦 『「医師」と「声楽家」が解き明かす 発声のメカニズム』 音楽之友社
発声の仕方について、歌唱技術と共に説明しています。声帯の写真が掲載されていて、参考になりました。
米山文明 『声の呼吸法 美しい響きをつくる』 平凡社
声の響きには、姿勢・呼吸が大切。同感です。
古屋晋一 『ピアニストの脳を科学する 超絶技巧のメカニズム』 春秋社
ピアニストの体の使い方を科学的に徹底分析しています。読んで演奏に活かせるかどうかは別ですが、こういう視点もあるんだと思いました。
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