「脱力できない人」の3つの傾向と、緊張をほぐす方法

脱力できない人の3つの傾向と緊張をほぐす方法




「力が入ってますねー、もっと力を抜いてやってみましょう」

学びごとではよく聞く表現です。

これを言われてすぐにできる人もいますが、できない人もいる。そして、できない人は、様々な場面でこうした表現を人から指摘されたりするかもしれません。

脱力、つまり過剰な筋緊張を抜くことです。

脱力できないと、運動や趣味などの活動がうまくできなかったりしやすいし、人から「緊張している」と思われやすかったり、慢性的なこりや痛みなどの問題も得やすいですね。

こうした脱力できない方が持っていやすい3つの傾向があるので、それを示していきます。

で、この脱力には難しさがありますが、その難しさを乗り越えて、脱力していくポイントも解説していきます。



脱力できない人の3つの傾向

1.動作が速い

動作早い
動作が速いと、体全体の筋緊張はどうしても強いものになってしまいます
それは、何かをしようとして、体を動かすことでも筋緊張が増えるわけですが、同時に体を支える力もより多く必要となって、そのためにも筋緊張を増やさざるを得なくなります。

この自分の動作の速さに気づいていない人は、脱力しにくいですね。

動作が速い=加速が大きくなり、減速も大きくなる=力が必要となる
加速(または減速)に力が要求されます。等速だったら、実は力は必要じゃない。昔物理でやりましたね。で、その力の源は筋収縮なので、動作速度に比例して筋緊張は強くなる

ある速度ラインを超えると、様々な脱力方法を駆使しても、その緊張をほどくことができなくなります。で、その速度ラインを超えていきます。

この際の筋緊張は過剰かというと、その速度で動作を実現するために必要に応じて生じたもので、その意味では過剰じゃないのですが、「その動作をその速度でやらなくてもよかったよね?」という意味で過剰といえるでしょう。

ほとんどの人は自分の動作速度を気にしていません。そうじゃないですか?
何をどこに動かすとかは気にしても、それをどのくらいの速度で動かすのか、なんてあまり気にしませんよね。まあ、どっちも気にしない人も多いけど。。

そして、どうも私たちには動作を早くしようとする傾向がある。生産性も上げられるという面から速く動いてしますということもありますが、それだけじゃなくて「覚えた動作は速くする」みたいな性もあるんじゃないかと感じます。

このため、その早い速度で行うことを脳で覚えてしまって、それをやるときには必ずそ速い速度でやっていることになる。慣れてくればくるほど、どんどん速くなっていきます。

こうして、その一定ラインを超える速さの速度で行うことが「自分の動作」になってしまうんです。

速く歩く字も速く書くパソコン入力も速い
体を洗う動作が速い歯磨きメイク食事
そして、手振りが速いうなずきが速い
話すのも速い、、、

こうして、全ての動作が速くなってしまう。結果、筋緊張が1日中続く。
気づいたときには、脱力はしにくくなっている、ということです。

特に、せっかちさんは動作速度が速くなるため、脱力もしにくくなりますね。

2.呼吸が浅い

長年、レッスンで人の動作を見ていますが、よく思うことが、呼吸は全てを物語っているということですね。

脱力できない人は呼吸が浅い十分に吐けていないし、息を詰める感じになりやすい。

呼吸が浅い

これは腹筋の緊張による影響です。腹筋は体を支える際にふんだんに使われてしまいやすい筋肉です。体の中心に位置していて、土台的な骨盤から上は脊椎一本で支えているわけで、その基底部分を支える役割の一部を担う形になります。

テントを張る際のロープみたいなものです。激しい風が吹いてテントが飛ばされそうになるのを、防ぐ張力を発揮することになる。

動作の速さの部分でも書きましたが、脱力しにくいということは、体の支え方から過剰な筋緊張が抜きにくいということですから、腹筋の筋緊張も過剰なものとなってしまいます。

腹筋は、呼吸筋群(呼吸機能に関わる筋群)の一つで、その収縮は特に吐く息に関係しています。腹筋緊張と呼吸は、極めて密接な結びつきがあるんですよね。

お腹に力を入れてみてください。すぐに息が止まりますよね?逆に息を止めてみてください。腹筋に緊張を感じますよね?

で、脱力しにくい人は、この腹筋の緊張を抜くことができなくなってしまった結果、密接な結びつきがあった呼吸が制約されてしまったんです。

具体的には吐く息が制約されて、もっと吐けるけれども、そこまで吐かずに途中で止めてしまって、そこから吸うという形になってしまいます。

呼吸というのも、動作速度と同じく、脳でそのパターンを覚えてしまうものなんです。
で、浅い呼吸を続けていたら、その呼吸を「いつもの呼吸」と認識していくことになる。本当は少し苦しさを感じるのだけども、それは気づけないし、容認できるようになってしまう。

でも、苦しい状態は続いてしまっている。知らぬは本人ばかり。。

というわけで、脱力できない人は呼吸が浅いんです。

3.何事も一生懸命

これもよく言われることですよね。
「一生懸命すぎるんだよ。もっと気楽にやったらいいんだよ」と。

一生懸命

この指摘は確かに一理あるんですよね。
でも、もうちょっと補いたいところです。

私の思いでは、一生懸命さ自体は悪いことじゃない問題はその中身だと思っているんです。

ここで悪いというか、脱力しにくくさせてしまうのは、周りの人や仕事のことばかり考えて、自分のことをまったく考えなくなっているということです。

仕事が忙しすぎて、自分のことなど考える暇がない人もいるでしょう。これはこれで問題だけど、その一方で、自らが選んで、自分のことを差し置いて、仕事のことや周りの人のことばかり考えるようになっている人もいるんです。

自分のことを考えなくなってくると、過剰な筋緊張も放置されることになります。
動作速度も閾値ラインを超えてくるでしょうし、息も浅くなっているでしょう。で、こうしたことも当然放置されるようになる。

ポール先生
3人兄弟姉妹の一番上の人とか、こういう傾向を持っていやすい

以前にレッスンで、筋緊張が強い傾向があった方に指導していたときです。私が体を動かそうとしても、その方が勝手に動かしてしまうんです。で、この傾向が強いなぁと感じていたのですが、ふと頭に思い浮かんだのですが「もしかして兄弟姉妹がいて、お姉さんじゃありません?」と聞いてみたら、スバリ、「3人姉妹の姉です」と

子供のころから、妹たちや両親に気をつかっていて、自分のことを後回しにする感じだったそうです。

こういう下地というか、習慣や考えを根底に持っている方は、脱力しにくいわけです。

 

3つの傾向を挙げました。
他にも傾向はあるでしょうが、こうした傾向はよくレッスンで見られます。

こうした方は、このままでも生活は成り立ちますが、こりや痛み、不調がつきまといやすいので、ぜひ脱力して緊張をほどいてもらいたいものです。

こうした方が、脱力をするためにやるべきことを、体の使い方やその根底にある考え方の視点でいえば、次の3点です。まあ、上の傾向の反対のことをやるだけなんですが。

緊張をほぐす方法

1.あえて動作をゆっくりにする

これは実践すれば、実は相当な効果があります
姿勢や動作の形を変えるよりも、これの方がよっぽど緊張を抜きやすい。
もちろん、姿勢や動作の形も大事なことの一つではありますが。。

脳からすると、「動作速度を変える」というのは、全く新しい動作をするくらいに受け取るのかもしれません。筋緊張を強める自動反応を抑制しやすくなります。

アレクサンダーテクニークでは、こうした不利な習慣で動いてしまわないように考えていくことをインヒビション(抑制)と呼び、実践していきます。

実は、私はアレクサンダーテクニーク教師ですが、インヒビションはあまり出しません。(^^;
ただ単に、「より有利なやり方を実践すればいい」と考えています。それで事足りるので。。

ポール先生
より有利なやり方の一つに、この動作速度の調整を加えています。私からすれば、これこそがインヒビションと言ってもいい。

動作速度を落として、ゆっくりめにやるんです。その上で、色々と有利な体の使い方の指示を出していくことで、より筋緊張を加えてしまう習慣パターンから脱却しやすくなります。

「〇〇をしないようにする」という否定形の指示よりも、「〇〇をする」の方が私たちは実践しやすいことも知られていることです。

まあ、すべての作業をできるだけゆっくりめにやってみてください。
一つの目安ですが、腹八分目っていいますよね。あのイメージで、速度八分目でやっていくんです。

ゆっくり歩くゆっくりめでパソコン入力

朝は特に急ぎやすくて動作が速くなりやすい
歯磨き、洗顔、メイク、食事をゆっくりめにします。少し早く起きて、そのための時間的余裕を持った方がいいですね。

そして、応用編としては、会話時に応用してもらいたいですね。これが一番難しい。
手振りをゆっくりうなずきをゆっくり、そして話すのもゆっくり

身近に、ゆっくりでマイペースな人いません?こういう人をモデルにしていくといいですよ。私たちはマネが得意ですから。ちなみに、こういう人は脱力しやすいはずです。

とにかく、1週間くらい「ゆっくりな人」になってみる。そうしたら、どれだけ普段自分が速く色々と動いてしまっているということに気づけるでしょう。そして、脱力しやすくなっているはずです。

ゆっくり生きると、病気は逃げる。
(「なぜ「これ」は健康にいいのか?」 順天堂大学医学部 小林弘幸 教授)

2.頻繁に「ため息」を吐く

「ため息」は一般的にはネガティブなものとして捉えられていますが、あの息の吐き方は、決してそうではありません!すごく体にいいものです。

ため息

「ため息」を出す前に、息を詰めていることがよくないことですよね。

体は、なんとかあの「ため息」分の吐く息を出したかったんですが、腹筋の緊張を続けてしまっているために出せなかったと。体としては、ため息を常に出したいんです。その方がラクなんです。

周りの人に「大丈夫ですか?」と心配されるくらい「ため息」を頻繁に出すくらいがいいですよ。まあ、そのときには、一般的な「ため息」感はなくなっていると思いますが。

で、ぜひやってもらいたいことがあります。それは、動作中に息を吐くということです。

歩いているとき
メイクしているとき
歯磨きのとき
髪を洗っているとき
料理しているとき
パソコンで何かを入力しているとき、とかです。

これは、慣れないと難しく感じるかもしれませんが、慣れれば楽勝です。なんでもトレーニングが必要なことには変わりありません。こういうトレーニングこそ、脱力トレーニングです。

3.少し図々しくなる

自分のことを考えていいんですね。その上で、仕事のこと、周りの人のことを考えていく
これを「一生懸命に」または「真面目に」やっていきましょう。

一生懸命さや真面目さというのは、素晴らしいことです。私もかくありたいと思います。

自分のことにも気をつかいつつ、周りの人に貢献する。
それを実践するコツとしては、図々しくなるです。

それまで「周りの人や仕事のことばかり」だった人が、「自分のこと」を考えていく際は、確実に「図々しく」感じます

ある人がスーパーの店員さんで、レジ打ちをしていたとしましょう。
今清算中の人の後ろに待っている人がいたりしたら、仕事一生懸命さんであれば、おそらく自分のことは気にかけず、「待たしてはいけない」と、自分の最大限の速度で対応しているでしょう。もちろん、体はそこかしこに力が入ってしまいます。

こういうときに、自分に気づくようにする。そして、動作速度を緊張を抜ける程度まで落とすようにする。そして、息を軽く吐くようにする。待っている人の目の前で

これは、この人からすれば図々しくないとできない行為です。
でも、これは客観的には図々しくない

そうなんです。図々しく感じるんですが、客観的に図々しいわけじゃないんですね。
でも、こうした人からすると、「図々しさ」に心理的な抵抗を感じてしまいやすいでしょう。

なので、あえて、積極的に、少し図々しくなってもらう必要があるんです。

これは、自分本位になったということではありません。自分本位は、自分のことばかりで、他を考えないことです。これでは客観的に図々しくなります。

自己尊重ですね。自己も配慮すべき対象に格上げしてください。

周りの人に気をつかいながらも、自分にも気をつかっていいんです。自分の居心地をよくしつつ、周りの人へ奉仕することで、winwinとなりますから。

ポール先生
人に奉仕しつつも、自分の状態に配慮できれば、脱力への道はもうすぐです。過剰な筋緊張に気づきやすくなっていますから。

これは気持ち面のことですが、けっこう脱力のポイントになったりします。心と体のつながりは深いですからね。

ちなみに、

ちなみに、脱力しにくい人には、ストレッチが効きそうな感じがするかもしれませんね。「緊張して縮んでるだから、伸ばせばいいんだろう」と。しかし、脱力には至りにくいでしょうね。もちろん、悪いことじゃないので、やることは問題ではないのですが。

ストレッチ

脱力、つまり「過剰な筋緊張を抜く」ことですが、これは筋収縮反応が過剰となっていることを意味しています。筋肉組織を伸ばしたからといって、筋収縮反応にはあまり関係がありません

筋収縮反応は、脳から出される神経刺激によるもので、神経反応の問題です。この神経反応を調整する必要があるんですが、それには意識や認識が関係します。まあ、頭で考える作業が必要なんですね。

必要なのは、脳トレ。で、その一端が今回ご紹介した点となります。

日頃から脱力しにくいと感じる人は、ぜひおすすめした点を実践してみてください。







脱力できない人の3つの傾向と緊張をほぐす方法


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